福岡県飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「相手が認知をしない場合の対応」の解説です。
【認知について】
認知とは、法律上の婚姻関係のない男女の間に生まれた子を、その父または母が自分の子と認めることをいいます(民法779条)。
【認知の方法】
通常、相手方に、認知届に署名してもらい、役所へ提出すれば、認知が成立します。
しかしながら、自分の子どもではない等の理由で、相手方が認知届に署名しないこともあります。
この場合、認知の訴えで、強制的に認知を行うことになりますが、認知の訴えについては、調停前置主義が適用されるため(家事事件手続法257条1項)、まず調停を行わなければなりません。
そして、調停での話し合いにより、認知を行う合意ができれば、裁判所が「合意に相当する審判」を行い、調停手続きは終了します(家事事件手続法277条)。
他方で、相手方との話し合いが平行線になった場合や相手方が調停に出席しない場合には、調停不成立となり、訴訟を提起することになります。
なお、認知の訴えが判決で認められると、子の出生のときにさかのぼって父子関係が発生します(民法784条)。
【血縁関係の立証について】
最近は、DNA鑑定を行うのが一般的ですが、父が拒絶している場合に強制的に鑑定を行うことはできません。
もっとも、理由なく鑑定を拒否する態度は、その拒否する態度自体が、身に覚えがあるから拒否するのだろう等との理由で、血縁関係を肯定する証拠になることもあります。
また、その他の証拠としては、妊娠・出産前後の相手方とのメール・SNS・LINE・手紙等も有力な証拠になることもあります。