飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「財産分与において、隠された財産を見つける方法」についての解説です。
【財産分与について】
離婚の際に、争いになる事項の1つとして、財産分与が挙げられます。
財産分与とは、夫婦共有の財産を、夫婦で分ける制度です。割合としては、概ね2分の1ずつになることが多いです。
そして、夫婦共有の財産は、一般的に、夫と妻が、それぞれ夫婦共有の財産にあたる自己名義の財産を申告して、夫婦共同の財産を把握します。
そのため、財産が隠されて申告されないと、財産管理をしていない側は、不当な財産分与になることも考えられます。
ですから、離婚をする前には、相手方の預金通帳、保険証書などの内容を把握し、写真を撮る等して証拠を確保することが有用だと思われます。
しかし、証拠の確保ができなかった場合には、別の方法をとる必要があります。
【財産を探す方法】
財産を探す方法としては、離婚の調停・裁判になった場合に、調査嘱託や文書送付嘱の手続きを使うことが考えられます。
1 調査嘱託(家事事件手続法62条、64条、民事訴訟法186条)
調査嘱託とは、裁判所が、必要な調査を、官庁若しくは公署(外国のものも含む)や学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託を行う手続きです。
そして、調査嘱託の結果は、裁判所によって口頭弁論に顕出されると、裁判所はこれをそのまま証拠として用いることができます。
2 文書送付嘱託(家事事件手続法64条、民事訴訟法226条)
文書送付嘱託とは、裁判所が、文書の所持者に対して、対象となっている文書の送付を嘱託する手続きです。
そして、文書送付嘱託の結果として送付された文書は、そのまま証拠とはならず、当事者が改めて書証として証拠提出する必要があります。
なお、これらの手続きを用いるまでに、相手方に対して、まず任意の開示を求めることが多いです。