面会交流の場合、基本的に親と子の面会交流が問題になるケースが多いのですが、夫婦が離婚した後や別居した後に、祖父母が子どもに面会したいというケースも当然あります。親の面会交流が自宅でなされるのであれば、事実上、そのような要望は満たされることになります。ただ、原則としては、面会交流権は、被監護親が子と面会する権利ですから、祖父母には固有の面会交流権は観念できません。つまり、正面切って裁判所に祖父母の面会交流権を認めるように調停・審判を申し立てても、裁判所が認めることはできないのです。
もっとも、親と祖父母の争いという特殊な事案において、祖父母に面会交流が認められたという例があります(東京高等裁判所昭和52年12月9日決定(家月30巻8号42頁)。この事案では、祖父母には子が生まれてから長い間の監護実績があり、子が祖父母に心の底からなじんでいることから、その状態を変更することは、かえって子の福祉に反すると考えられる事案でした。ですから、少々特殊な事例判断ということになり、一般化することはできないと考えられます。