飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「保釈の取消」についての解説です。
令和元年の10月から11月にかけて、大阪で、保釈が取り消された被告人の勾留を再開するため、身体を再収容しようとする際、その被告人が逃亡するという事件が立て続けに2件発生しました。そして驚くことに、年末にはカルロス・ゴーン被告が保釈中のさなか、国外に出国するという事件も起こっています。
この点、保釈とは、刑事事件で勾留(刑事訴訟法60条1項)されている被告人を、暫定的に解放することです。裁判官の許可によって行われます(刑事訴訟法88条以下)。その保釈の取消(刑事訴訟法96条)は、被告人が逃亡したり、保釈の際の条件に反するなど、法に定められた事由に該当した場合(刑事訴訟法96条1項各号)に行われます。保釈取消により、勾留が再開され、被告人の身柄が再収容されることになります。
そして、勾留を再開するために被告人の身柄確保を行うのは、検察官の指揮の元、検察事務官、司法警察職員及び刑事施設職員です(刑事訴訟法98条1項)。
ちなみに、大阪で問題となった2件の事件はいずれも、それぞれ警察官が被告人の身体確保を行ったのち、検察事務官がその被告人の身体を引き継いだ後に発生したと報道されています。