飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「債権・債務の端数処理」についての解説です。
債権者の代理人として、債務者に対し、損害賠償請求や貸金返還請求など、金銭に関する請求をよく行います。
交通事故で親が亡くなり、事故の被害者である親の損害賠償請求権を子が相続したなど、ご依頼者が債権者の相続人であることも、少なくありません。
この点、被相続人の損害賠償請求権を相続人の人数で割ったときに、10万3333.3...円のように、端数が出ることがあります。
このような小数点以下の数字を、切り上げるのか、切り捨てるのか、四捨五入をするのか迷うことがありました。
この端数の処理については、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」で以下のように定められています。
(債務の支払金の端数計算)
第3条
「 債務の弁済を現金の支払により行う場合において、その支払うべき金額(数個の債務の弁済を同時に現金の支払により行う場合においては、その支払うべき金額の合計額)に五十銭未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が五十銭未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を切り捨てて計算するものとし、その支払うべき金額に五十銭以上一円未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が五十銭以上一円未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を一円として計算するものとする。ただし、特約がある場合には、この限りでない。
2...」
したがって、端数については、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第3条1項より、四捨五入で処理することになります。
なお、具体的には、10万3333.3...円の場合には、10万3333円となります。