健康増進法改正とその影響

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「健康増進法改正」についての解説です。

 この法律の改正は、望まない受動喫煙を防止するため、特に影響を受けやすい子どもや患者に配慮し、施設の類型・場所ごとの喫煙規制を設けることを目的としています。これにより、学校、病院等(第一種施設)は、原則として敷地内で禁煙となり、飲食店や公共の施設などの第一種施設以外の施設(第二種施設)は、原則として屋内禁煙となります。ただし、受動喫煙を防止できる分煙の設備を備えている場合には、その設備中では喫煙が可能です。他方、バーやスナック、公衆喫煙所など、喫煙を目的とする施設では、屋内でも喫煙できます。

  これらの規制は、第一種施設に関するものは2019年7月1日に、第二種施設に関するものは2020年4月1日からそれぞれ開始となります。したがって、当該施設の管理者は、それまでに禁煙とする措置をとるか、分煙の設備を設けなければなりません。これらを怠った場合には、後に述べる罰則の適用があります。

 ちなみに、第二種施設に該当する福岡高等裁判所では、2019年7月1日から、裁判所の庁舎と敷地の全面禁煙が実施されています。 ただし、以上の規制の例外として、既存の飲食店等は、資本金5000万円以下の中小企業で、かつ、客席面積が100㎡以下の場合には、経過措置として適用が見送られています。

 罰則については、すべての人は①禁煙場所での喫煙が禁止されています。これに反した場合、管理者の禁止要請、都道府県知事の指導・命令を経て、罰則(30万円以下の過料)に科される可能性があります。 また、施設の管理者は②分煙施設の設置③未成年者を喫煙室に立ち入らせない義務をそれぞれ負います。②については、都道府県知事の指導・命令に従わない場合には罰則(50万円以下の過料)のほか、違反事実の公表もあります。

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