飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による家事事件手続の解説です。
家事調停の場合、原則として、相手方住所地の家庭裁判所が管轄になります(家事事件手続法245条1項)。ということは、遠方にいる相手方への調停の申立ては、申立人にとって時間的にも費用の面でも負担を強いることになります。もっとも、近時、調停でも電話会議が利用可能になっています(家事事件手続法54条、258条)。電話会議の方法をとれば、一度も調停に行くことなく調停成立ということもあります(先日、京都で申し立てた調停には一度も行きませんでしたが、調停成立しました。)ただし、身分関係の変更を伴う離婚、離縁の調停成立時には、出頭が必要なので注意が必要です(家事事件手続法268条3項)。
また、自庁処理といって、あえて管轄のない裁判所での調停を希望することもできますが、相手方の意見を聞く必要があり、通常は認められません(家事事件手続法9条1項但書、規則8条1項)。当職も一度挑戦したことがあるのですが、裁判所(東京家庭裁判所でした。)から、「相手の同意は得られそうですか」との照会を受けました。つまり、相手が同意しない限り、よほどの事情でないと自庁処理の扱いにはならないようです。